小脳出血・梗塞のリハビリ
こんにちは。カラダの先生の森です。脳卒中には脳出血、脳梗塞など、脳に起因する病気がありますが、その脳出血や脳梗塞にも様々な種類があります。脳出血であれば、脳のどの血管が損傷したか。脳梗塞であれば、脳のどこで梗塞したか。この損傷部位や損傷の大きさによって症状が異なります。そこで今回は「小脳」について説明していきたいと思います。
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小脳とは?
小脳に出血や梗塞が起きると、他の領域の脳血管障害とは異なる特徴的な症状を呈することが明らかにされています。
小脳の機能は、
・手足の運動を開始するときや止めるときに働く
・協調的に働きスムーズな体の使い方をする
・筋緊張や筋力をどの程度発揮するか調整したり維持する
・動きを学習する
などがあります。
脳の機能は大変複雑ではありますが、その中でも小脳というのは、手足の運動をスムーズに動かすためにはとても重要な場所というのが分かります。
小脳出血・梗塞の症状
・意識障害
・眼振
・構音障害
・失調症
・協調運動障害
・巧緻性障害
・筋力低下
・筋緊張低下
などが挙げられます。
小脳病変による運動障害は「失調症」が特徴的です。失調症とは、個々の筋肉や関節は正常であるも、協調的な動きが難しく、ぎこちなくなってしまい、円滑に動かすことができなくなるというものです。例えば、字を書いたり箸の使い方がぎこちなくなってしまいます。
小脳出血の特異的な症状
・突然発症の回転性めまい
・頭痛、悪心、嘔吐
・起立歩行不能
など
血腫の進展や脳浮腫などから水頭症が発現することもあります。リハビリを開始した後でも、めまいや嘔吐が続いてしまい、なかなか思うようにリハビリが進まないということもあったりします。リハビリではまず全身の状態がリハビリを開始できるのか確認し、安全に運動ができるように配慮します。そして、小脳出血・梗塞では、ただ手足を動かしたり、鍛えたりするのではなく、上手に動かす訓練や協調的に動かせるような練習が必要になります。体幹の不安定性があり、手足の運動がぎこちなくなる場合もあります。状態に応じたリハビリを実施していく必要があるでしょう。