脳卒中で便秘に悩んでいる方

病気になってから便秘に悩んでいる方はたくさんいます。脳卒中など病気になってカラダを動かすことが少なくなったから?病気になってから食べる量が少なくなった…。食生活が変わったから?生活のリズムが変わったから?イライラすることが多くなったから?便秘には、いろいろな原因があります。

便秘とは

便秘は人によって症状が様々です

・排便回数が減る

・お腹が張る

・残便感がある

・腹痛

・排便が苦痛

便秘は肌荒れや体臭の原因にもなります。食べ物を消化・吸収して便をつくるとき腸が働いています。排便回数は個人差が大きく一般に「排便が週に3回未満」が便秘とされています。個人差はありますが、腸が活発に働いていれば1日3回~週3日程度排便が起こります。

便秘の種類

◇弛緩性便秘

大腸の運動機能が低下して腸の中で長い間、便がたまっている状態です。

・便が硬く、コロコロしている

・ガスがたまり、お腹が張る

腸内に便が長時間とどまるため水分が吸収され、どんどん硬くなりますます出にくくなるという悪循環を生みます。

◇痙攣性便秘

大腸の過緊張により、蠕動運動が強くなりすぎて腸痙攣をおこし便の輸送に障害をきたす状態です。

・便がウサギのようにコロコロしている

痙攣がおさまって腸の動きが活発になると下痢を起こすので便秘と下痢を交互に繰り返す傾向があります。

◇直腸性便秘

便意を我慢することで排便のリズムが崩れ便が直腸内に溜まってしまう状態です。

・便が硬く太くなる

直腸まで便が下りてきているので便意があったら我慢せずにトイレに行くようにしましょう。

◇器質性便秘

胃や小腸・肛門・大腸などに疾患があり便が出にくい状態です。

・便が細かったり、ひらべったくなったりします

吐き気・激しい腹痛・血便・発熱が便秘とともの現れた場合は病院を受診しましょう。

〇弛緩性便秘解消の工夫

・水分をたっぷりと!

水分をとることで便は柔らかく出やすくなるため1日2Lを目安に、こまめに水分をとりましょう。冷たい水は胃腸を刺激して排便を促す効果があります。起床後に飲む習慣をつけましょう。 とくに高齢者になればなるほど、飲水量は減っている傾向があります。トイレが近くなるからという理由をよく聞きますが、これは良くありません。しっかりと水分を摂り、必要に応じて排出されなければいけません。

・香辛料、酸味、脂質はほどほどに!

香辛料や酸味は大腸を刺激して排便を促します。適度な脂質は便のすべりをよくしたり、含まれる脂肪酸が腸を刺激してくれます。

・野菜や海藻類を積極的にとる!

野菜や海藻類に含まれる食物繊維は消化されずに腸に送られ、水分を含み便の量を増やします。腸の働きを促して便通をスムーズにする効果があります。日々の食卓に食物繊維の多い食品を積極的に取り入れましょう。

ごぼう・たけのこ・かぼちゃ・いも類・豆類・海藻類・切干大根などは食物繊維が多く含まれています。

 ・3食きちんと食べましょう!

ダイエットなどで過度に食事を減らしてしまうと便の量も減るため便秘になりやすくなります。腸内環境を整えてくれる食品を意識し3食きちんととることも大切です。

〇痙攣性便秘の注意点

・刺激物、脂質、アルコールは控える

痙攣性便秘では気をつけたい食事のポイントが弛緩性便秘とは異なります。腸の緊張を抑えるため刺激の少ない食べ物をとることが基本です。香辛料や酸味の強いもの、揚げ物など脂質の多いものやアルコール、カフェイン飲料などは控えましょう。

〇便秘と高血圧

さらに便秘と相関があるのが、高血圧です。排便時に力んでしまうため高血圧の人は注意が必要です。脳卒中を発症した方の多くは高血圧であると思いますので、便秘には気をつけましょう。また排便時には力みたくなる気持ちは重々理解できますが、あまり力み過ぎると、再発のリスクにもなり得ます。充分に注意して下さい。

脳卒中や高血圧がある人、便秘には腸内環境を整えよう!

人の大腸には、たくさんの細菌が住んでいます。健康に役立つ細菌(善玉菌)だけでなく、病気の原因になる悪玉菌、どちらもない日和見菌が存在し、独自のバランスを保っています。このバランスが崩れて善玉菌が減り悪玉菌が優勢になると便秘になりやすいのです。乳酸菌やビフィズス菌が多いキムチや納豆などの発酵食品は腸内環境を整えるのに役立ちます。また、食物繊維やオリゴ糖は善玉菌の栄養源になります。ごぼう、切干大根、たけのこ、青菜、大豆、きなこ、小豆 、ひじき、寒天、果物などをとることなどを意識しましょう。野菜はスープなどの汁物に入れるとたっぷりとることが出来ます。

便秘は腸のトラブルによることが多い

病気などで以前のようにカラダを動かすことが出来なかったり腸の動きが病気になる前より悪くなったなど便秘になる原因は様々ですが、まずは、食習慣によって腸な働きや腸内バランスを整える食べ方を心がけることも大切です。脳梗塞や脳出血など様々な病気により、腸の運動が悪くなり、便秘や下痢になってしまうことは、よくあります。食事のとり方も工夫すると腸トラブルが解消されます。

便秘解消に食物繊維を!

食物繊維を摂取すると便秘解消にいいと言われています。食物繊維は、他にも、

1.血糖値の上昇や脂肪の吸収を抑える。

2.腸内環境を整えることで美肌に。

3.免疫力が整って元気なカラダに。

便秘解消以外にも嬉しいことがいっぱいあります。

食物繊維は水溶性と不溶性の2種類

食物繊維は大きく分けると水溶性と不溶性の2種類です。

◇水溶性食物繊維

胃から小腸にかけて主に効果を発揮し、血糖値の上昇を抑え、コレステロールの吸着を促進します。水溶性食物繊維には、アルギン酸・難消化性デキストリン・ペクチンがあります。

・アルギン酸

 海藻類に多く含まれ、水分を加えるとゲル状になるのが特徴です。有害物や脂肪を吸着し排出します。

・難消化性デキストリン 

糖質を中心とした過剰な栄養摂取をガードします。特定保健用食品や機能性表示食品にも利用されています。

・ペクチン

リンゴや柑橘類に含まれています。乳酸菌などの善玉菌を活性化させることで腸内環境を正常化してくれます。

◇不溶性食物繊維

主に大腸で働き、便の量を増して、腸を刺激します。不溶性食物繊維には、リグニン・キチン・セルロースがあります。

・リグニン

 胆汁酸を吸収し血中コレステロールを抑制し、善玉菌を増やす働きもします。カカオなどに含まれています。

・キチン

カニやエビの殻などに多く含有しています。免疫力を向上させ、便秘や動脈硬化の予防にもチカラを発揮します。

・セルロース

レタス、キャベツなど多くの植物に含まれます。大腸のぜんどう運動を促進し、正常なリズムへと導きます。食物繊維は、それぞれ役割が違います。役割を理解して、食物繊維を効率よく摂取できるといいですね。

美肌やダイエット、免疫力にも!

食物繊維を取り入れることは、腸内環境を整えるだけでなく、美肌やダイエットをサポートし免疫力にも関連しています。

免疫細胞の約70%は腸に集中

カラダに存在している免疫細胞の約70%は腸に集中していて腸の不調が体調不良へと直結します。

腸は第二の脳

腸は第二の脳と呼ばれるほど神経が張り巡っています。食物繊維のチカラで腸を動かせば、イライラの緩和にもなります。腸活が心もカラダも健康に導いてくれます。腸はカラダにとって大事な仕事を担っています。まずは、毎日の食事から見直すことで病気にならないカラダを目指しましょう!

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