脳卒中を予防するために気をつけてほしいこと

生活習慣病の一つに『高血圧』があるのは皆さんご存知ですかね?では、なぜ高血圧だと注意が必要なのか?高血圧の状況が続くとどうなるのか?皆さんご存知ですか。

動脈硬化を招く高血圧

強い水圧をかけ続けるとゴムホースの劣化が早くなります。血管も同じように血圧が高い状態が続くと、血管が傷みやすくなります。健康な血管は弾力・柔軟性に富み、ぷるぷるしています。しかし、血圧が高く血管が傷つくと、そこにコレステロールなどがたまります。血管壁が厚くなったり、硬くなったりして、弾力・柔軟性を失います。これが【動脈硬化】と言われる状態です。

動脈硬化とは

動脈硬化が進むと血液が流れにくくなります。さらに血圧が高くなるという悪循環を生み出します。その結果、脳卒中などの脳血管疾患、心筋梗塞などの心疾患、腎機能の低下などの重篤な病気を引き起こすリスクが高まります。

自覚症状がない高血圧

高血圧には自覚症状がほとんどありません。そこが怖いところで「サイレントキラー」と言われています。脳血管疾患や心疾患から要介護になる割合は、男性30%以上、女性17%と少なくありません。

加齢も高血圧の原因に

高血圧と加齢は深い関係があります。40を過ぎると男女とも血管が加齢とともに硬くなり弾力・柔軟性が失われます。少しずつ収縮期血圧が上がる傾向に。弾力性が失われて血管が膨らまない分、大動脈にためられる血液は減り拡張期血圧が低くなります。そのため高齢者は高血圧になりやすく収縮期と拡張期の差が大きくなる特徴があります。女性は血管の老化を防ぐ働きのある女性ホルモンに守られ、男性よりも老化の進行は遅いです。しかし、更年期を迎えると女性ホルモンが減少し、高血圧になる人が増えてきます。

高血圧予防は子どもの頃から

血管に弾力性がある若いころは、高血圧を意識することが、ほとんどありません。しかし、若い頃から塩分過多な食事が習慣になっていると、40歳を過ぎて、急に血圧が高くなることもあります。特に、塩分の多い外食の味に子どもの頃から慣れてしまうと、将来の高血圧にもつながりかねません。大人になって食習慣を変えるのは難しいもの。高血圧予防は、子どもの頃からの対策も必要です。

高血圧を招く生活習慣とは

高血圧を招く生活習慣には

・塩分の摂り過ぎ

・運動不足

・喫煙習慣

・睡眠不足

・ストレス

・外食や飲酒

高血圧の原因には、遺伝的要因と、食事や運動などの環境要因があります。

両方が重なり発症するケースが多くみられます。中でも、近年では肥満による高血圧が増加傾向にあります。高血圧予防には、まず太らないことも大切です。

・塩分の摂り過ぎ

塩の成分であるナトリウムが血液中に多くなると、血液が濃くなり体が危険を感じるため血管へ水分を取り込み薄めようとします。血液量が余分に増えることで血圧が上昇します。

・運動不足

運動不足は血流が滞りやすく、血圧上昇につながります。

・喫煙習慣

たばこを1本吸うと10~20mHg血圧が上昇し、その状態が15分以上続くとされています。

・睡眠不足

睡眠中は副交感神経が優位になり血圧が下がります。睡眠不足だと交感神経が優位のままになり、一日中血圧が高い状態が続いてしまいます。

・ストレスが多い

ストレスがかかると交感神経が優位になり血管が収縮して血圧を上げます。

・外食や飲酒の機会が多い

外食は濃い味で誘惑させるメニューが多く塩分過多になりがちです。飲酒後1~8時間は血圧が下がりますが、その後は逆に上昇します。

高血圧を防ぐ食生活とは

カラダを作っているのは、毎日の食事です。何を食べるか?食べるものは、カラダに大きな影響を与えます。

・塩分は1日6g目標に

食事の中で、血圧に最も関係するのは塩分です。成人の1日の塩分摂取量の平均値は、男性が10.9g、女性が9.2gです。多くの人が減塩する必要があります。6gといえば、小さじ1杯程度の量です。物足りなく感じる量です。でも、ちょっとした工夫で美味しく減塩することができます。

減塩できる『食べ方』の工夫

◇味噌汁は1日1杯で具だくさんに!

味噌汁には1杯約1.5gの塩分が含まれています。毎食、味噌汁を飲んでる人は1日1回に。野菜やきのこで具だくさんにする。その分、塩分の高い味噌汁の量が減らせます。素材のうまみで減塩しやすくもなります。

◇しょうゆ・ドレッシングは「かける」より「つける」

ドレッシングやソースはかけすぎないようにします。小皿に入れて、ほんの少しだけつける。たっぷりつけてしまうと、かえって塩分摂取量が高くなります。つけすぎに注意しましょう。

◇野菜・海藻をたっぷりと

野菜や海藻に含まれるカリウムには、体内の余分な塩分を排出させる働きがあります。食物繊維には、腸内ナトリウムが過剰に吸収されるのを防ぐ作用があります。

◇野菜をたっぷり食べるコツ

*加熱する

*スープ類は具だくさんに

*ミニトマト・きゅうりなど、すぐに食べられる野菜を常備

ただし、腎臓に病気がある方はカリウムを控える必要があります。

◇加工食品より旬の新鮮素材を

加工食品の濃い味付けに慣れてしまうと薄味の食事に物足りなさを感じてしまいます。旬なものには資材本来のうまみがあり、薄味で調理をしても美味しく食べられます。さらに、酢と油を加えると、うまみがとどまります。

◇加工食品の塩分量

*ウインナー(3本)45g中・・・・・0.9g

*ロースハム(1枚)20g中・・・・・0.4g

*さつま揚げ(1枚)50g中・・・・・1.0g

「料理」をするときのひと工夫

レモンや酢など酸味を生かす酸味を効かせると味が引き立ち、塩分を減らしても物たりなさを感じにくくなります。しょうゆは酢やかんきつ類の果汁で割る、塩やソースを控えてレモン汁をかけるなどの工夫をするといいですね。かくし味に「砂糖+水+油」を加えると、酸味がやわらぎまろやかになりますよ。

◇だしで“うまみ”をきかせる

だしのうまみをきかせると、調味料が少なくても満足感が高まります。昆布、しいたけ、削りガツオなどで濃いめにだしをとり、調理に活用します。ただし、市販のだしの素には塩分が含まれるものもあるのでよく確かめてから使ってくださいね。

◇手軽にだしを活用するコツ

*干ししいたけなど乾物の戻し汁を加える

*きざんだ昆布や削りガツオを調理する際に加える

*ボトルなどに水や昆布を入れ一晩浸しておく

*トマト、玉ネギ、にんにくなど、野菜のうまみを活用する

「外食」するときのひと工夫

外食では少量でも塩分が多い漬物や佃煮を減らす。漬物や佃煮は味付けを濃くすることで保存性を高めています。少量でも塩分過多になりがちです。ごはんがすすむため、食べ過ぎにもなります。定食やお弁当に付いてくる漬物などは残すようにしましょう。

昆布の佃煮(10g) ・・・・・0.7g

梅干し1個(10g)・・・・・2.2g

しば漬(30g)・・・・・・・1.2g

◇外食で減塩するコツ

*弁当や惣菜についているソースやたれは使わない

*汁物は具だけ食べる

*漬物は残す

*めん類のつゆは残す

*かけめんよりもつけめんを選ぶ

*塩分が多い脂っこいおかずは控える

外食メニューやできあいの惣菜には予想以上に塩分が使われています。例えば、ラーメン一杯をスープまで残さず食べると約6.1g。ぶりの照り焼き定食を食べたら約6.3gの塩分を取ることになります。1日の減塩目標量を軽くオーバーしてしまいます。麺類を食べる場合は思い切ってスープを残しましょう!漬物は残し、ソースやたれは使わないようにしましょう!食べ方を少し工夫して、積極的に減塩に取り組みましょう。

自分の体を作っている食事。自分が普段どれくらいの塩分を摂取しているのか知り、血圧が高い人はもちろん。正常な人も、食事を見直すことが大切です。

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