あなたの栄養状態は良好ですか?栄養状態を整えてリハビリの効果をあげよう!

栄養状態とリハビリの重要な関係性とは?

「リハビリ」の目的の一つに、「筋肉量の増加」があったりしますよね。

病気や怪我をしてしまうと、筋肉量が低下してしまうケースがあります。

脳卒中でも同様です。

また、安静期間が長ければ長いほど筋肉量は低下してしまいます。

そして一度衰えてしまった筋肉は簡単に元には戻りません。

その筋肉量を増加させるためのリハビリには、身体の「栄養状態」が良好でなければなりません。

栄養状態が良好であり、かつ栄養管理が適切になされていれば、筋肉量を増加させるためのリハビリが可能です。

しかし栄養状態が不良ですと、頑張って良くなろうとしているリハビリがかえって逆効果になってしまう可能性もあるのです。

栄養状態が良好な時のリハビリ

筋力増加を目指した積極的なリハビリ

エネルギーが充足しているため、食べたタンパク質が筋肉を合成させるために利用される

筋肉量が増加する

栄養状態が不良な時のリハビリ

筋力増加を目指した積極的なリハビリ

エネルギーが不足しているため、持ち得ている筋肉を分解してエネルギーを得ようとしてしまう

筋肉増が低下してしまう

せっかくリハビリをしても、かえってそれが原因で筋肉量が低下してしまうなんてことになってしまうのです。

栄養状態は摂取する食事の内容や量、あるいはタイミングが重要です。

また、病気の状態によっても左右されます。

さらに、栄養状態を良くしようとたくさん食べたとしても、それがエネルギーになるとは限りません。

適切な自分の身体に合った食事摂取と、それに応じたリハビリを行いましょう。

リハビリに必要な栄養状態を簡単にチェックする方法

①身体計測

まずは何といっても、体重とBMIです。

BMIは体重kg÷(身長m×身長m)で計測できますので、一度やってみましょう。

正常範囲内は18.5~25.0です。

これより低いと「低栄養状態」となり、または多いと「肥満」となります。

元々やせ型の方もいるかもしれませんので、あくまでも簡易的に予測するものです。

②体重減少率

病気や怪我を発症した方、発症する前と体重は変わっていませんか?

脳卒中の方でも、発症してから現在と体重が大きく低下してしまった方もいると思います。

体重減少率は(発症以前の体重-現在の体重)÷発症以前の体重×100で計測できます。

これは期間によって値が決められています。

発症してから1週間のときは、2%以上で「低栄養」

1ヶ月のときは、5%以上で「低栄養」

3ヶ月のときは、7.5%以上で「低栄養」

6ヶ月以上のときは、10%以上で「低栄養」とされています。

元々の体重から今の体重を引いた数字で計測できますので、これもとても簡単ですね。

③上腕周囲長と下腿周囲長

利き腕ではない腕または脳卒中であれば麻痺していない腕で計測します。

上腕肩峰(肩の出っ張り部分)と尺骨肘頭(肘の出っ張り部分)の中心のところで腕の太さを測ります。

筋肉量低下の目安は21cm以下です。

足で計測する場合は、腕と同様に麻痺していない方の足で計測します。

測る場所はふくらはぎの最も太いところで測りましょう。

筋肉量低下の目安は30cm以下です。

「サルコペニア」はご存知ですか。

サルコペニアとは、「骨格筋、筋肉の減少」を意味する言葉です。

1989年Rosenberg氏によって提唱されました。

まだ30年しか経っていない、比較的新しい言葉ですね。

ギリシャ語でサルコは「肉、筋肉」を意味し、ペニアは「減少」という意味があります。 

サルコペニアの原因には大きく分けて二つあります。

一つは原発性サルコペニア、もう一つは二次性サルコペニアに大別されます。

原発性サルコペニアとは、加齢のみを原因としたもので、二次性サルコペニアとは、活動、栄養、疾患を原因とするものになります。

リハビリの現場で多いのは、やはり二次性サルコペニアです。

脳梗塞など何かしらの病気を持っていたり、病気や怪我から栄養不良や活動制限に陥ってしまう可能性があります。

逆に何の病気もなく、加齢のみで筋肉が減少していくケースの方が少ないでしょう。

リハビリを行なっている高齢者の40〜46%にサルコペニアを認めたというような報告もあります。

約半数ですもんね、これは少しのきっかけで誰しも筋肉が減少してしまう可能性が非常に高いということが予測されます。

また、サルコペニアの原因は一つではなく複数認められることが多いです。

さまざまな状況を想定し、多角的に捉えて判断していくべきでしょう。

二次性サルコペニアは活動、栄養、疾患を主原因として起こりますが、その中身はどうなのでしょうか?

活動を原因とした二次性サルコペニアは、廃用性筋萎縮、不活動、無重力などの問題から起こるとされています。

簡単に言いますと、活動量が減少している状態です。

栄養を原因とした二次性サルコペニアは、飢餓、エネルギー摂取量不足などから起こるとされています。

飢餓とは、エネルギー摂取量がエネルギー消費量よりも少ない状態が続いてしまうことによる低栄養状態を指します。

疾患を原因とした二次性サルコペニアは、侵襲、悪液質、神経筋疾患などの問題から起こるとされています。

様々な原因からサルコペニアに陥ってしまうため、リハビリや運動を行う事前の状態はしっかりと把握しておいた方がよいでしょう。

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