脳卒中って何?脳梗塞と違うの?
脳の血管に何かしらの問題が起きた状態を総称して脳血管障害または脳血管疾患と言います。
そしてその中でも発病したものが脳卒中と言います。
つまり脳卒中とは総称したものを表している言葉になります。
さらにその脳卒中には種類があります。
脳の血管が破れた状態を脳出血、脳内の血管が詰まった状態を脳梗塞と言います。
脳出血
脳出血の中には脳内で出血する「脳出血」と、脳を覆っている膜と脳の隙間に出血する「くも膜下出血」があります。
脳内での出血の割合が高く、くも膜下出血に比べて5倍程度起こりやすいとされています。
脳出血には脳内のどの血管が破れたかによっても病名が変わり、最も多いものが被殻という場所で出血した被殻出血、次いで視床という場所で出血した視床出血などがあります。脳には場所によって様々な機能がありますので、出血した場所によって出る症状も変わってきます。
以前の日本では脳卒中の代表といえば脳出血でしたが、降圧剤の進歩や食事文化の変化などにより脳出血の最大の原因となる高血圧をコントロールできるようになり、現在の日本では生活の改善と相まって発症率は激減し、今では脳出血よりも脳梗塞の方が多くなっています。
脳梗塞
脳の血管の壁が動脈硬化によって厚くなることで血管内が細くなります。そこに血栓と言われる血液の塊が付着したりして血管が詰まり血流が途絶えてしまうものが脳梗塞です。
血流が途絶えてしまうと脳に血がいかなくなりますので、その領域の脳細胞が壊死してしまいます。
脳梗塞には3つのタイプがあり、脳の太い血管が動脈硬化で詰まってしまうものを「アテローム血栓性脳梗塞」、脳の中の細い血管が詰まってしまうものを「ラクナ梗塞」、心臓から小さな血の塊が飛んできてそれが脳の血管に詰まってしまうものを「心原性脳塞栓症」があります。
一過性脳虚血発作
この言葉を聞いたことがありますでしょうか?
脳梗塞では脳の動脈が詰まりその先の脳細胞に血が流れないことで脳細胞が壊死すると言いましたね。
しかし脳の動脈が詰まってもそれが一瞬であればその先の脳細胞は壊死せずにすみます。
このように脳梗塞になる前に再度血液の流れが戻れば脳細胞は壊死することなく再び元のように戻ります。
概ねそれが5分程度と言われています。
ただし脳細胞は壊死しませんが、血流が途絶えている間は脳梗塞と同じような症状が出現します。
そして血流が戻ることでその症状は消えます。
これを「一過性脳虚血発作」と言います。
この一過性脳虚血発作が起きると誰しもが脳梗塞が起きたかなと思うと思いますが、病院へ行ったとき、MRIを撮った時にはすでに元に戻っていることが多いです。
ただしそれで安心してはいけません。
一過性脳虚血発作は脳の血流が不安定な状態であることを示しており、その後に脳梗塞を起こす可能性がとても多いで、危険な状態であることに変わりありません。
症状が一過性に消えるので安心してしまいがちですが、必ず専門の病院を受診して検査をしてもらうことが良いでしょう。