パーキンソン病に対する運動療法とは?

今回のテーマはパーキンソン病の運動についてになります。

以前にもパーキンソン病について記事にしていますので、パーキンソン病について知りたい方はぜひそちらもご一読下さい。

そもそも何でパーキンソン病で運動する必要があるの?

一昔前は、パーキンソン病の病状が進行してきてからリハビリを開始することが多くありましたが、最近いろいろな研究を通して発症早期からの運動がとても大事だということが言われています。

海外の研究論文の中に、疾患の初期段階での集中的なリハビリテーションは、疾患の進行を遅らせたり、よりよい運動パフォーマンスに導く、ということが言われています。

また、座りがちな生活はパーキンソン病患者のバランスや歩行を悪化させ疾患の進行を加速させる、と言われています。

『疾患初期の動物モデルによる研究結果の実証(Frazzitta,2015)』

別の研究論文では、運動訓練はドパミン作動性シグナル伝達に関わる神経の可塑性に繋がり、早期パーキンソン病の機能改善に寄与する、と言われています。

『メカニズムの探求(Fischer,2013)』

さらに、早期、超早期にリハビリを行うことで、その時点での運動機能改善に加えドパミン神経細胞生存の向上や神経回路の保持により、パーキンソン病の予後を改善することが期待される、というものもあります。

『神経可塑性と神経の保護(パーキンソン病の医学的リハビリテーション,2018)』

これらの論文等からも、パーキンソン病は発症早期の時に、いかに運動習慣作ることが大事であるか、ということが分かります。

パーキンソン病が進行してくると、転倒しやすくなることが多くなりますが、その時に「自主トレーニングを頑張りましょう!」と言ってもなかなか継続することが難しかったりすることが多くみられます。

転倒しやすくなると「また転ぶかもしれない」という気持ちから、座って過ごすことが多くなります。

すると活動量も低下し、筋力も体力も使わないので、関節も硬くなってしまい廃用症候群に結びついてくる、という悪循環になっていまうこともあります。

パーキンソン病の運動はどのくらいやればいいの?

ある海外の研究論文では、80%負荷量という高強度のトレッドミル運動がパーキンソン病の初期段階の進行予防に繋がった可能性ある、と報告されています。

『Effect of High-Intensity Treadmill Exercise on Motor Symptoms in Patients With De Novo Parkinson Disease(Margaret Schenkman,2018)』

ですので、発症早期の方のリハビリとしては、ストレッチも大事ですが、少し「はぁはぁ」するくらいの負荷量の運動も大事であることが考えられます。

パーキンソン病では、自分自身の動きや姿勢の傾きに気付くことが大事

パーキンソン病の主な症状として、体の動きがゆっくりとなり、動く範囲も小さくなってしまうことがあります。

ボディーイメージのズレがあり、自分自身では大きく動いているつもりでも実際は動きが小さくなったり、体の前後左右への傾きなども自分自身では気づけず、周りの人に言われて初めて気づくことが多くあります。

そのまま気付かずにいるとズレが大きくなり、これが積み重なって、どんどん腰曲がりの姿勢になり動作緩慢になってしまいます。

その結果、廃用症候群にも繋がってしまいます。

まずは自分自身の姿勢がどうなっているのか、鏡で姿勢を確認してもらったり、動画を撮って見てもらい、自身の動きや体の傾きや左右差があるのか気づいてもらうことも大事だと考えられます。

パーキンソン病に対して、実際にどんな運動が良いのか

体幹の筋力トレーニング

体幹の筋力があり安定していると、大きな動作(例えば手を伸ばしたり、歩行で足を振り出したり)がしやすくなります。

ただし、腰曲がりの姿勢になってくると、腹筋の上部が硬くなる人が多く、普通の腹筋運動をすると、さらに硬くなって曲がりやすくなるので、あまりお勧めできません。

逆に下腹部と腹横筋を使って体幹を鍛えるのが効果的です。

仰向けに寝てもらい、両足の間にバランスボールを挟んで持ち上げて、下腹部や腹横筋を鍛えましょう。

体幹のストレッチ

体幹を回旋する筋肉(外腹斜筋・内腹斜筋)が硬くなると前傾姿勢になりやすく、歩く時に体をひねれなかったり、寝返りがしづらくなります。

そこを重点的にストレッチします。バランスボールやストレッチポールなどを両手で持ち、体幹を出来るだけ回旋して大きな範囲で動かしていきましょう。

指のストレッチ

指先の動きも小さくなることがあるので、テニスボールやゴルフボールなどを指と指の間に挟んでストレッチしていきましょう。

これを左右各指の間に挟んで2~3回繰り返します。

あるいは、指の間にボールを挟んだ状態で、挟んでいる指を曲げていき、さらにストレッチしていきます。

これも左右各指の間で2~3回繰り返しましょう。

今回ご紹介した運動は一例ですが、運動は他にも様々な種類や方法があります。

どのような運動が良いのかは現在の体の状態や進行状況によっても異なります。

しかしまずは何でも良いですので、一つ初めてみて下さい。

カラダの先生では、パーキンソン病の方のリハビリも行っております。

パーキンソン病の進行を遅らせるための予防的トレーニングから、現在現れている症状の軽減、日常生活で困っている動きの方法などを指導しています。

今回のブログ内でも触れたように、早めからの運動やストレッチはパーキンソン病において非常に大切です。

このブログを読んで当店に興味が出ましたら、ぜひ一度ご来店下さい。

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