日常の何気ないその時、あなたの姿勢はどうなっていますか?

こんにちは。カラダの先生の西田です。

皆さんは、普段の生活で姿勢に気を付けていますか?

年齢を重ねてくると、鏡に映った自分の姿勢がずいぶん悪くなった、背中が曲がってきた
…そんなふうに感じる方は多いのではないでしょうか。

そして、掃除や洗濯などの家事動作をした際に腰が痛くなったり、背中の痛みや肩こりがひどくなる方もみえると思います。

これは、全身を支えている背骨や筋肉が衰えた証拠なのです。

背骨は、皆さんもご存じのように首から骨盤の上まで続いている体を支える柱のような役割をしていますが、1本の長い骨というわけではありません。

椎骨と呼ばれる24個の小さな骨が積み重なってできており、椎骨と椎骨の間には、背骨にかかる衝撃を和らげるクッションの役割をする軟骨の椎間板があります。

背骨は3カ所に分かれており、首の部分は頸椎、背中の部分は胸椎、腰の部分は腰椎と呼ばれています。

私たちは、姿勢の悪い状態を続けていると椎骨と椎間板に負担がかかって変形し、どうしても前に曲がってきます。

ときには、もろくなった椎骨がつぶれる圧迫骨折を引き起こすこともあります。

すると、ますます背中や腰は曲がり身長は縮みます。

問題は、こうした腰曲がりや猫背の姿勢が腰痛や背中の激痛を招く病気の原因になる点です。

椎骨には、椎孔という穴があり、椎骨が積み重なることによって、脊柱管と呼ばれるトンネル状の空洞を作っています。

この空洞の中には脊髄という神経の束が通り、枝分かれした神経が体中に伸びています。

腰曲がりや猫背で背骨が変形すると、脊柱管が狭くなる場合があります。

すると中を通る神経が圧迫されるため脊柱管狭窄症を引き起こします。

さらに、椎間板の中にある髄核という柔らかい部分が後方に飛び出ると椎間板ヘルニアが起こります。

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアになると、脊髄から枝分かれする神経根が圧迫されて、腰や背中の痛みや足のしびれにも繋がり、長く歩けなくなることもあります。

また、背中が丸くなると肺が圧迫されるため、呼吸が浅くなるなど心肺機能にも影響を及ぼします。

少し歩いただけでも息が上がるようになり、呼吸が浅くなれば酸素の取り込みが悪くなって、全身の細胞が酸素不足に陥って疲れやすくもなります。

また、肺だけでなく胃や腸といった内臓も圧迫されるため、消化機能が正常に働かなくなって、食後の胃痛や胃もたれを感じやすくなります。

そして、便秘や逆流性食道炎も引き起こすことがあります。

猫背や腰曲がり姿勢で、内臓が圧迫されて下垂することで、下腹がぽっこりと出てしまいます。

これにより重心の位置が身体の前側に寄って、膝に負担がかかり膝痛なども引き起こしやすくなります。

こうした体の不調は精神面にも影響を与え、気分が晴れない、何もやる気が起こらないといった状態に陥る人も少なくありません。

さらに、若い頃と比べて身長が2センチ以上も低くなったという方は要注意です。

背骨で圧迫骨折が起こっている可能性があるからです。

圧迫骨折とは、背骨を構成している椎骨の前部にある半円形の椎体が押しつぶされて生じる骨折です。

圧迫骨折の原因で最も多いのが、骨密度が低くなり骨がもろくなって起こる骨粗鬆症です。

これは、年齢を重ねるほどに増えて、特に女性に多い傾向があります。

骨の強度が十分ではないため、転んで尻もちをついたり、中腰で重い物を持ったりしてちょっとした力が加わるだけでも圧迫骨折が起こることがあります。

ときには、自分の体の重さに耐えきれずに椎体が押しつぶされて、圧迫骨折が生じることもあります。

それによって身長が縮み、背骨も曲がって腰曲がりや猫背になってしまうのです。

年齢を重ねてから起こる骨折の中では、圧迫骨折が最も多いとされています。

ただし日常生活の中で徐々に椎骨がつぶれて骨折に至るため、痛みなどの症状が現れないことがほと
んどです。

そのため、気が付いたら骨折していて、激しい腰痛や背部痛、あるいは2センチ以上の身長の縮みで初めて骨折を起こしていたいことに気付く人が多くみられます。

圧迫骨折は、例えば背骨の1カ所で起こっただけでは身長が2センチも縮んだり、腰曲がりやひどい猫背になったりはしません。

背骨は24個の椎骨が上下に積み重なってS字状のカーブを描きながら1本の背骨になっています。

椎骨の1つが圧迫骨折を起こすと、その前後の椎骨に大きな負荷がかかります。

骨密度は低い状態なので、少しの負荷がかかるだけで、骨折が連鎖的に起こる場合があるのです。

このように姿勢の悪さは、見た目だけでなく様々な悪影響を及ぼします。

猫背や腰曲がり姿勢・伸張縮みや、それに伴う腰痛・背部痛を年齢のせいとあきらめず、元気で若々しく暮らすために、日ごろから姿勢には気を付けていきたいですね。

次回は、「猫背や腰曲がり姿勢の治し方」についてお伝えします。

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