歩行分析のために知っておきたい足関節の役割とは

この記事はこのような方にオススメ

・歩行について基礎から知りたい
・歩行中の足関節の作用を知りたい
・足関節周囲筋がどのような役割を持っているのか知りたい
・動作分析が苦手

これは歩行周期における足関節周囲筋の筋活動をグラフにしたものになります。

縦軸は筋の名称
横軸は歩行周期
青い太線は歩行周期中における筋活動
黄色丸はその筋活動中の中で最も筋が働く瞬間

歩行時の足関節背屈筋の活動

足関節背屈筋群は、歩行周期中において前遊脚期(PSw)から荷重応答期(LR)までに活動する傾向があります。

前脛骨筋は初期接地(IC)で最も強力な力を発揮します。

足趾伸筋群は遊脚初期の終わりで最も強力な力を発揮します。

歩行時の足関節底屈筋の活動

足関節底屈筋群は立脚期前半-中盤から立脚期が終わる前後まで活動します。

このうち、ヒラメ筋と腓腹筋は底屈モーメントの93%を占めるとされています。

足関節底屈筋群はいずれも立脚後期(TSt)で最も強力な力を発揮します。

歩行時の足関節角度変化

これは歩行周期における足関節の運動範囲になります。

左縦軸は関節角度(°)
横軸は歩行周期(%)
青線は足関節の歩行周期中の運動範囲
緑線は片麻痺者の歩行周期中の運動範囲
黄色線はモーメント
赤線はパワー

青線を見て下さい。

まず足関節は踵接地から足底接地で底屈します。

その後、TStまで背屈し、TSt、PSwで一気に底屈します。

その後はSwing phaseで徐々に背屈し、最後に踵から接地するためにオートマチックに底屈しているのが分かるかと思います。

前脛骨筋の歩行周期中の活動

今後は前脛骨筋に着目したものになります。

ピンクは歩行周期における前脛骨筋の筋活動が起こっているフェイズで、黄色は前脛骨筋がその活動範囲の中で最も強い力を発するタイミングとなります。

つまり、前脛骨筋は歩行周期においてLRに最も筋活動を必要とします。

さらにそれは踵が接地してから足底全体が接地する底屈方向への運動時となるため、前脛骨筋は遠心性収縮にて筋活動を行なっています。

いわゆるヒールロッカー機能を担うのがこの前脛骨筋となります。

腓腹筋ヒラメ筋の歩行周期中の活動

今度は腓腹筋ヒラメ筋に着目してみましょう。

腓腹筋ヒラメ筋はLRからTSt-PSwまで活動し、TStで最も強力な力を発揮します。

下腿三頭筋は前脛骨筋が踵接地時の衝撃吸収に作用したのちに、立脚期中に前方へ推進するために活動します。

MStでは足関節、Tstでは中足趾節間関節が軸となりロッカーファンクションを成立させます。

MStにて下腿三頭筋がブレーキをかけた後(遠心性収縮)、その筋力を更なる推進力へ変換させるためにTstにて求心性に収縮します。

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