隠れ脳梗塞とは?
脳梗塞のこと、どれくらい知っていますか?
脳卒中には様々な種類や症状が存在します。
脳卒中はそもそも総称する言葉でして、脳梗塞と脳出血をまとめた言い方ですね。
現在の日本は食生活の変化などから脳梗塞が多いとされてます。昔は脳出血の方が多かったんですよ。
最近では脳梗塞などを取り上げるテレビや雑誌もとても多く、比較的みなさんも聞いたことがあるような病気とされていますよね。
様々な症状があり、少なからず後遺症を伴うケースが多いです。
片麻痺や失語症、感覚障害などなど。
症状のない脳梗塞がある?!
しかし、そんな症状が出ない脳梗塞もあるんです。
それが「隠れ脳梗塞」です!
医学的には「無症候性脳血管障害」といいます。
無症候性とは、症状がないよということ。
この無症候性脳梗塞は、脳の細い血管が詰まって起こる病気であり、血管の中でも先の細い部分のため脳の組織には影響が出ず、際立った症状が出ないのです。
MRI検査や脳ドッグなどが昔から比べて遥かに普及され進歩したため、後から発見されることが増えたのです。
今皆さん、こう思っていませんか?
「でも症状がないならいいじゃん。」
「症状が出ないほどの脳梗塞ならラッキー!」
全然ラッキーではありませんよ!!!
隠れ脳梗塞とは、たまたま症状がなかったあるいは症状が出ない場所での梗塞や出ないほどの小さな梗塞ということです。
つまり少しだけ運が良かったということ!
しかしそれはあくまでも結果です。
過程として考えるのであれば、実際に血管が詰まってしまい梗塞しているのです。
いわゆる動脈硬化などがそうです。
さらに、無症候性脳梗塞を起こすと、血管性認知症になる場合や症状の出る脳梗塞になる可能性も高まります。
脳梗塞を発症したことのないグループと無症候性脳梗塞がMRIで確認された症状のないグループで記憶のテストをしたところ、明らかに脳梗塞を起こしたことのないグループの方が記憶テストの成績が良かったとの報告もあります。
無症候性脳梗塞の危険因子は、加齢、高血圧、糖尿病、飲酒、喫煙、脂質異常、腎臓病などがあります。また、過労やストレスなども関係してきます。
この中でも最も危険因子となり得るものはやはり高血圧です。
血圧が高いということは、血管に高い圧力がかかっているということです。そのため血管内を流れる血液が血管を傷つけてしまう可能性が高まります。
脳卒中を発症する最も原因になるのが、この高血圧です。もし血圧の高い方がいるようでしたら、食事の見直しや有酸素運動などがオススメです。または血圧を下げる薬などで抑えることもいいでしょう。
脳梗塞の再発率を見てみる
一度発症している人の再発率は、1年以内の再発が約10%、5年以内で約35%というデータがあります。
さらにこんなデータもあります。
発症してから10年間の累積した再発率は、くも膜下出血で約70%、脳出血で55%、脳梗塞で約50%という高い数字が出ています。
一番少ない脳梗塞ですら約半分の方が10年以内に再発するという傾向があるとのこと。
これを見たら「症状がない脳梗塞でラッキー」とはなりませんよね。
しかし、さらにこんなデータもあります。
隠れ脳梗塞は脳ドッグを行った人のうち、50歳代で約10%、60歳代で約20%、70歳代で約30%に見つかっているとのこと。
あくまでも数字上での話ですが、データだけ見るととても恐ろしい結果ですね。
何だか元気がなくなりそうです。。。
本格的な脳梗塞にならないために
しかし、これで気を落とさないで下さい!
隠れ脳梗塞と言われた方、これからが大事ですよ!
これから食事や運動などの健康管理をしっかり見つめなおし、生活習慣を是非改善するよう心掛けて下さい。
お酒やたばこを吸うようでしたら、これを機に禁酒禁煙なんかできたら最高ですよね。
しっかり予防に対する意識をもって、本格的な脳梗塞にならないよう気を付けた生活を送ってください。
無症候性脳梗塞の治療及び予防としては、第一に糖尿病や脂質異常などの危険因子となり得るものの管理となります。特に高血圧のコントロールは厳格に行いましょう。